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【キャリコン】抑えるべき6つの発達理論【発達段階表有り】

発達論・トランジション

発達段階は幾つか有るので混乱してしまい覚えるのが難しい印象です。ただキャリアコンサルタント学科試験にも出題されやすいので、外せない項目になっています。

そこで本記事では、そんなややこしい各発達理論と特徴などを一つづつまとめています。

スーパーの発達理論

人生の時間軸をライフステージ(ライフスパン)と呼び、スーパーの理論における発達段階になります。

段階 段階名 年代 内容
第1期 成長期 0-15歳 身体的発達、自己概念の形成を主とし、自己の興味、関心や能力に関する探究を行う発達段階。
仕事に関する空想、欲求が高まり、職業世界への関心を寄せる時期。
第2期 探索期 16-25歳 いろいろな分野の仕事があること、そのための必要条件を知り、自己の興味関心などにあわせ、特定の仕事に絞りこんでいく段階。
その仕事に必要な訓練を受け仕事につく段階。
第3期 確立期 26-45歳 キャリアの初期の段階。
特定の仕事に定着し、責任を果たし、生産性をあげその仕事に従事し、職業的専門性が高まり昇進する。
第4期 維持期 46-65歳 確立した地位を維持し、さらに新たな知識やスキルを身につけその役割と責任を果たす段階。
キャリア上の成功を果たすことができれば、自己実現の段階となる。この時期の最後には退職後のライフ・キャリア計画を立てる。この時期の終わりに、退職に向けての計画を立てます。
第5期 離脱期
解放
下降期
衰退期
66-?歳 有給の仕事から離脱し、新たなキャリア人生を始める。地域活動、趣味・余暇活動を楽しみ、家族との交わりの時間を過ごす。

上記の生涯を通じた5段階のライフステージ上での一連のキャリア発達マキシサイクルと呼びます。そして、各段階の移行期に起こる出来事がミニサイクルになります。

ライフステージは「成長」、「探索」、「確立」、「維持」、「離脱(解放・衰退)」5段階で構成されていて、覚え方は頭文字を取って『せいたかいか(背い高いか)』が有名です。

  • スーパーのライフステージは「成長」、「探索」、「確立」、「維持」、「解放」(背い高いか)の5段階
  • マキシサイクル→移行期(ミニサイクル)の繰り返し

スーパーのライフステージについてまとめた記事が下記になります。

【キャリコン】スーパーのライフキャリアレインボー【5つのライフステージ】
ドナルド・E・スーパー(Donald.E.Super)の覚えておきたいポイントは非常に多くなっており、前後編に分けてまとめています。 自己概念 マキシサイクルとミニサイクル 14の命題 ライフキャリアレインボー アーチモデル 5つのライフス...

レビンソンの発達理論

発達期 過渡期(トランジション) 概要
児童と青年期(0歳~22歳) 親や社会に保護されながら生きる時期
成人前期(17歳~45歳) 成人への過渡期(17~22歳)大人の世界へ入る時期(~28歳)

30歳前後の過渡期(~33歳)

一家を構える時期(~40歳)

青年期の生き方から離れ、自分で人生を切り開いていく自覚を持つ時期自分が何者かを模索。可能性が開けた20代から、限定される30歳前後の過渡期で直面する課題は「アパシー(無力感・無価値)」と「離人感(自分が自分ではない感覚)」
中年期(40歳~65歳) 『人生半ばの過渡期』中年への過渡期(4045歳)

50歳の過渡期(~55歳)

中年の最盛期(~60歳)

自分らしさの模索・葛藤を通じて、真の自分として生きることを決断する時期肉体、生活環境に変化40年で確立した自己が崩壊する恐怖感を無意識に感じる。価値観崩壊
老年期(60歳以降) 老年への過渡期 死を受容しつつも、新たな生への希望を獲得する時期。死への恐怖や役割の喪失感により、孤立化が進む役割感喪失

孤立化

新たな希望を獲得

レビンソンは人生を四季に例えたので4段階になります。そして、安定した安定期と各段階の境目の過渡期を繰り返しながら発達すると考えました。

  • レビンソンは人生の四季だから4段階
  • 安定期と過渡期
  • 人生半ばの過渡期(中年への過渡期)

レビンソンについてのまとめ記事が下記になります。

【人生の四季】レビンソンの発達段階説【人生半ば(中年)の過渡期】
ダニエル・J・レビンソン(Levinson,D.J)は人の発達を安定した安定期と各段階の境目の過渡期を繰り返しながら発達すると考えました。 そしてこの過渡期こそ自己のキャリアを質的にさらに新しく発展させる自己再生のための好機と見ています。 ...

エリクソンの発達理論

発達段階 発達課題(心理・社会的危機、葛藤) 獲得する力
  乳児期(0歳-2歳) 基本的信頼  vs 不信感 希望
②  幼児初期(3歳-4歳) 自律性 vs 恥・疑惑 意思
③  幼児後期(5歳-7歳) 自主性、積極性 vs 罪悪感 目的性
④  学童期(8歳-12歳) 勤勉性 vs 劣等感 有能感
⑤  青年期・思春期(13歳-22歳) 自己同一性・アイデンティティ達成 vs 同一性の拡散(混乱)・アイデンティティ拡散
忠誠心
⑥  成人初期・成人前期(23歳-34歳) 親密性 vs 孤立 愛情
⑦  壮年期(35歳-60歳) 世代性・生殖性 vs 停滞性 世話
⑧  老年期(61歳~ ) 統合性 vs 絶望 知恵

アイデンティティを中核として人間生涯全般を捉えるライフサイクル論に基づき、心理社会的発達を個体発達分化の図式(Epigenetic chart)に示しました。

  • エリクソンは8段階
  • 青年期のアイデンティティの危機
  • 成人初期:親密性vs孤立
  • 老年期:統合性vs絶望

エリクソンについてまとめた記事が下記になります。

【キャリコン】エリクソンの発達段階【ライフサイクル理論とアイデンティティ】
心理社会的発達理論のエリク・H・エリクソン(Erikson,E.H)は、ライフサイクル理論とアイデンティティという概念を提唱しています。 青年期のアイデンティティの危機は過去の試験にも頻出ですので要チェックです。 本記事では、そんなエリクソ...

ハヴィガーストの発達理論

発達段階 発達課題
①乳幼児期
  • 歩くこと、食べること、話すこと、排泄のコントロールについての学習
  • 性の相違と性の慎みについての学習
  • 社会や事物についての単純な概念の形成、善悪の区別と良心の学習
  • 両親、兄弟との人間関係についての学習
  • 正・不正を区別することの学習と良心を発達させること
②児童期
  • 遊びを通じて必要な身体技能を学習
  • 成長する生活体としての自己に対する健全な態度の形成
  • 遊び仲間とつき合う、正しい男女の性役割の学習
  • 読み、書き、計算の基礎的技能の発達
  • 日常生活に必要な概念の発達
  • 親と自己を区別し、独立した個人となる
  • 良心、道徳性、価値の尺度の発達
  • 社会集団や制度に関する態度の発達
③青年期
  • 男女両性の友人との交流および成熟した人間関係を構築する
  • 男女の社会的役割の学習
  • 自己の身体構造を理解し、身体を有効に使うこと
  • 両親や他の大人から情緒的独立を達成すること
  • 経済的独立に関する自信の確立
  • 職業の選択と準備
  • 結婚と家庭生活の準備
  • 市民として必要な技能と概念の発達
  • 社会人としての自覚と責任ある行動
  • 行動の模範となる倫理体系や価値観の形成
④壮年期
  • 適切な社会集団の発見・認識
  • 配偶者選択、結婚相手との生活を学習
  • 第一子を家族に加える、養育
  • 家庭の管理
  • 仕事に就くこと
⑤中年期
  • 大人としての市民的、社会的責任の達成
  • 一定の経済力を確保し、維持すること
  • 10代の子どもたちの精神的な成長援助
  • 大人の余暇活動を充実すること
  • 配偶者と人間として結びつくこと
  • 中年期の生理的変化を受け入れ、適応すること
  • 老年の両親の世話と適応
⑥老年期
  • 肉体的な強さと健康の衰退への適応
  • 引退と収入の減少への適応
  • 同年代の人と明るい親密な関係をつくる
  • 満足のいく住宅の確保
  • 配偶者の死に適応すること、死への準備
  • やがて訪れる死への準備と受容

ハヴィガーストは、人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題があると提唱しています。

  • ハヴィガーストは6段階
  • 赤字の部分は過去問で出題されたことあり

ハヴィガーストについてまとめた記事が下記になります。

【キャリコン】ハヴィガーストの発達課題【6つの成長段階を解説】
もしかしたら、あまり聴き馴染みのないハヴィガースト(Havighurst,R.)ですが、過去の試験には3回ほど問題に出てきています。 名前だけの問題もあれば6つの発達段階や青年期の10項目の発達課題ついて出題されているものもあるので、頭の片...

シャインの発達理論

発達段階 時期 概要
①成長・探索・探求 0~21歳 職業を選択するために、自分の価値観を見つけ、能力を開発するための教育を受け、体験を重ねる準備段階にあたる時期。
②仕事の世界へのエントリー 16~25歳 初めて組織に入り、職業に就く時期。組織における仕事の仕方を学びながら、自分の立ち位置・役割を見出そうとする。
③基本訓練 16~25歳 仕事およびメンバーシップの現実を知って受けるショックに直面しながらも対処し、徐々に組織メンバーとして定着していく。
④キャリア初期 17~30歳 責任のある仕事も徐々に任されるようになる。独立を求める自己と従属させようとする組織の葛藤が生じやすい時期でもある。
⑤キャリア中期 25歳以降 組織の中で明確な立場を確立していく時期。スペシャリストかジェネラリストかの方向性が決まる重要な時期でもある。
⑥キャリア中期の危機 35~45歳 仕事を通じて、自分の価値観や能力をより明確に理解する時期。再認識した価値観を重視するか、現状に留まるかの葛藤が生じやすい時期でもある。
⑦キャリア後期(指導者役or非指導者) 40歳~引退 十分な経験を積み、後輩育成など指導者的立場を担う時期。
⑧衰え及び離脱 40歳~引退 能力のミスマッチや体力・影響力の衰えにより、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期。配偶者とより親密に暮らす方法を学ぶ。
⑨引退 後進に道を譲るため引退をする時期。それに伴う様々な変化を受け入れ、新しい生き方を模索する時期。
シャインは下記の3つのサイクルが相互に影響し合って存在していると述べています。
  1. 生物学的・社会的サイクル
  2. 家族関係におけるサイクル
  3. 仕事・キャリア形成におけるサイクル
シャインのキャリア発達は9段階

シャインについての詳細記事は記事は下記になります。

【キャリコン】シャインの理論【キャリアコーンとキャリアアンカー】
エドガー・H・シャイン(Schein.E.H)に関しても覚えておきたいポイントが多くあります。 組織内キャリア発達論 キャリアコーン(組織の3次元モデル) キャリアアンカー キャリアサバイバル キャリアサイクルモデル どれも試験に出る可能性...

ギンズバーグの発達理論

  1. 空想期(生後~11歳)
  2. 試行期(11~17歳)
  3. 現実期(17歳~20歳台初期)

の3段階になります。

  • 発達理論前期:①10年以上かかる②プロセスは非可逆的③現実との妥協
  • 発達理論後期(3つの命題):①生涯通して②後戻りも可能③個人的要因の最適化の過程
  • いずれも『3』なのでギンズバーグといえば3段階

ギンズバーグについてまとめた記事が下記になります。

【キャリコン】ギンズバーグの職業選択『発達3段階』【理論の修正】
職業選択には長い年月を通じての発達過程が見られることに着目し、理論化したエリ・ギンズバーグ(Ginzberg,E.)ですが、研究の途中で理論を修正していることがポイントになります。 本記事では、そんなギンズバーグの発達理論と職業選択の3つの...

まとめ

各理論の発達段階についてまとめていきました。

数字と発達段階の名前と特徴は覚えておきたいところですが、なかなかややこしい。

発達段階の名前は、イニシャルでオリジナル語呂合わせを作って覚えるのが良いかもしれませんね。

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