発達段階は幾つか有るので混乱してしまい覚えるのが難しい印象です。ただキャリアコンサルタント学科試験にも出題されやすいので、外せない項目になっています。
そこで本記事では、そんなややこしい各発達理論と特徴などを一つづつまとめています。
スーパーの発達理論
人生の時間軸をライフステージ(ライフスパン)と呼び、スーパーの理論における発達段階になります。
段階 | 段階名 | 年代 | 内容 |
第1期 | 成長期 | 0-15歳 | 身体的発達、自己概念の形成を主とし、自己の興味、関心や能力に関する探究を行う発達段階。 仕事に関する空想、欲求が高まり、職業世界への関心を寄せる時期。 |
第2期 | 探索期 | 16-25歳 | いろいろな分野の仕事があること、そのための必要条件を知り、自己の興味関心などにあわせ、特定の仕事に絞りこんでいく段階。 その仕事に必要な訓練を受け仕事につく段階。 |
第3期 | 確立期 | 26-45歳 | キャリアの初期の段階。 特定の仕事に定着し、責任を果たし、生産性をあげその仕事に従事し、職業的専門性が高まり昇進する。 |
第4期 | 維持期 | 46-65歳 | 確立した地位を維持し、さらに新たな知識やスキルを身につけその役割と責任を果たす段階。 キャリア上の成功を果たすことができれば、自己実現の段階となる。この時期の最後には退職後のライフ・キャリア計画を立てる。この時期の終わりに、退職に向けての計画を立てます。 |
第5期 | 離脱期 解放 下降期 衰退期 |
66-?歳 | 有給の仕事から離脱し、新たなキャリア人生を始める。地域活動、趣味・余暇活動を楽しみ、家族との交わりの時間を過ごす。 |
上記の生涯を通じた5段階のライフステージ上での一連のキャリア発達をマキシサイクルと呼びます。そして、各段階の移行期に起こる出来事がミニサイクルになります。
ライフステージは「成長」、「探索」、「確立」、「維持」、「離脱(解放・衰退)」の5段階で構成されていて、覚え方は頭文字を取って『せいたかいか(背い高いか)』が有名です。
スーパーのライフステージについてまとめた記事が下記になります。
レビンソンの発達理論
発達期 | 過渡期(トランジション) | 概要 |
児童と青年期(0歳~22歳) | 親や社会に保護されながら生きる時期 | |
成人前期(17歳~45歳) | 成人への過渡期(17~22歳)大人の世界へ入る時期(~28歳)
30歳前後の過渡期(~33歳) 一家を構える時期(~40歳) |
青年期の生き方から離れ、自分で人生を切り開いていく自覚を持つ時期自分が何者かを模索。可能性が開けた20代から、限定される30歳前後の過渡期で直面する課題は「アパシー(無力感・無価値)」と「離人感(自分が自分ではない感覚)」 |
中年期(40歳~65歳) | 『人生半ばの過渡期』中年への過渡期(40~45歳)
50歳の過渡期(~55歳) 中年の最盛期(~60歳) |
自分らしさの模索・葛藤を通じて、真の自分として生きることを決断する時期肉体、生活環境に変化40年で確立した自己が崩壊する恐怖感を無意識に感じる。価値観崩壊 |
老年期(60歳以降) | 老年への過渡期 | 死を受容しつつも、新たな生への希望を獲得する時期。死への恐怖や役割の喪失感により、孤立化が進む役割感喪失
孤立化 新たな希望を獲得 |
レビンソンは人生を四季に例えたので4段階になります。そして、安定した安定期と各段階の境目の過渡期を繰り返しながら発達すると考えました。
レビンソンについてのまとめ記事が下記になります。
エリクソンの発達理論
発達段階 | 発達課題(心理・社会的危機、葛藤) | 獲得する力 |
① 乳児期(0歳-2歳) | 基本的信頼 vs 不信感 | 希望 |
② 幼児初期(3歳-4歳) | 自律性 vs 恥・疑惑 | 意思 |
③ 幼児後期(5歳-7歳) | 自主性、積極性 vs 罪悪感 | 目的性 |
④ 学童期(8歳-12歳) | 勤勉性 vs 劣等感 | 有能感 |
⑤ 青年期・思春期(13歳-22歳) | 自己同一性・アイデンティティ達成 vs 同一性の拡散(混乱)・アイデンティティ拡散 |
忠誠心 |
⑥ 成人初期・成人前期(23歳-34歳) | 親密性 vs 孤立 | 愛情 |
⑦ 壮年期(35歳-60歳) | 世代性・生殖性 vs 停滞性 | 世話 |
⑧ 老年期(61歳~ ) | 統合性 vs 絶望 | 知恵 |
アイデンティティを中核として人間生涯全般を捉えるライフサイクル論に基づき、心理社会的発達を「個体発達分化の図式(Epigenetic chart)」に示しました。
エリクソンについてまとめた記事が下記になります。
ハヴィガーストの発達理論
発達段階 | 発達課題 |
①乳幼児期 |
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②児童期 |
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③青年期 |
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④壮年期 |
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⑤中年期 |
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⑥老年期 |
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ハヴィガーストは、人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題があると提唱しています。
ハヴィガーストについてまとめた記事が下記になります。
シャインの発達理論
発達段階 | 時期 | 概要 |
①成長・探索・探求 | 0~21歳 | 職業を選択するために、自分の価値観を見つけ、能力を開発するための教育を受け、体験を重ねる準備段階にあたる時期。 |
②仕事の世界へのエントリー | 16~25歳 | 初めて組織に入り、職業に就く時期。組織における仕事の仕方を学びながら、自分の立ち位置・役割を見出そうとする。 |
③基本訓練 | 16~25歳 | 仕事およびメンバーシップの現実を知って受けるショックに直面しながらも対処し、徐々に組織メンバーとして定着していく。 |
④キャリア初期 | 17~30歳 | 責任のある仕事も徐々に任されるようになる。独立を求める自己と従属させようとする組織の葛藤が生じやすい時期でもある。 |
⑤キャリア中期 | 25歳以降 | 組織の中で明確な立場を確立していく時期。スペシャリストかジェネラリストかの方向性が決まる重要な時期でもある。 |
⑥キャリア中期の危機 | 35~45歳 | 仕事を通じて、自分の価値観や能力をより明確に理解する時期。再認識した価値観を重視するか、現状に留まるかの葛藤が生じやすい時期でもある。 |
⑦キャリア後期(指導者役or非指導者) | 40歳~引退 | 十分な経験を積み、後輩育成など指導者的立場を担う時期。 |
⑧衰え及び離脱 | 40歳~引退 | 能力のミスマッチや体力・影響力の衰えにより、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期。配偶者とより親密に暮らす方法を学ぶ。 |
⑨引退 | 後進に道を譲るため引退をする時期。それに伴う様々な変化を受け入れ、新しい生き方を模索する時期。 |
- 生物学的・社会的サイクル
- 家族関係におけるサイクル
- 仕事・キャリア形成におけるサイクル
シャインについての詳細記事は記事は下記になります。
ギンズバーグの発達理論
- 空想期(生後~11歳)
- 試行期(11~17歳)
- 現実期(17歳~20歳台初期)
の3段階になります。
ギンズバーグについてまとめた記事が下記になります。
まとめ
各理論の発達段階についてまとめていきました。
数字と発達段階の名前と特徴は覚えておきたいところですが、なかなかややこしい。
発達段階の名前は、イニシャルでオリジナル語呂合わせを作って覚えるのが良いかもしれませんね。
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