ダニエル・J・レビンソン(Levinson,D.J)は人の発達を安定した安定期と各段階の境目の過渡期を繰り返しながら発達すると考えました。
そしてこの過渡期こそ自己のキャリアを質的にさらに新しく発展させる自己再生のための好機と見ています。
本記事では、そんなレビンソンの発達段階説についてまとめています。
レビンソンの発達段階説
レビンソンは、ユングの理論をもとに人生の発達段階・ライフサイクルを四季(人生の四季)になぞらえ4つの発達期があるとしました。
そして安定期と各発達期の間に5年程度の過渡期が存在すると考えました。
この不安定時期である過渡期がトランジションとなります。
レビンソンはこの過渡期に自己と対峙し、自分と環境を見つめ直すことができると言ってるんや。
4つの発達期
発達期 | 過渡期(トランジション) | 概要 |
児童と青年期 (0歳~22歳) |
親や社会に保護されながら生きる時期 | |
成人前期 (17歳~45歳) |
成人への過渡期(17~22歳)
大人の世界へ入る時期(~28歳) 30歳前後の過渡期(~33歳) 一家を構える時期(~40歳) |
親、社会に守られて生きてきた環境から自分で道を切り開かなくてはならないという自覚が芽生える
大人の一員としての最初のアイデンティティを確立 成人への過渡期における課題は、「アパシー(無力感・無価値)」と「離人感(自分が自分ではない感覚)」 30歳の過渡期の課題は、「焦燥感」「さまよい」「無力感」 |
中年期 (40歳~65歳) |
『人生半ばの過渡期』
中年への過渡期(40~45歳) 50歳の過渡期(~55歳) 中年の最盛期(~60歳) |
自分らしさの模索・葛藤を通じて、真の自分として生きることを決断する時期
自分の生活のほとんどあらゆる面に疑問を抱き、もうこれまでのようにはやっていけないと感じ、新しい道を切り開くか、これまでの道を修正するのに数年を要する 肉体、生活環境に変化40年で確立した自己が崩壊する恐怖感を無意識に感じる。価値観崩壊 |
老年期 (60歳以降) |
老年への過渡期 | 死を受容しつつも、新たな生への希望を獲得する時期。死への恐怖や役割の喪失感により、孤立化が進む
役割感喪失 孤立化 新たな希望を獲得 |
上の表を図にしたものが下記になります。
レビンソンの発達段階
特に覚えておきたい重要な過渡期の3つが、
- 成人への過渡期
- 中年への過渡期(人生半ばの過渡期)
- 老年への過渡期
になります。中でも中年への過渡期(人生半ばの過渡期)は頻出ですのでマストです。
重要なトランジションが大きくなってるから、画像は覚えやすい気がするな!あとは概要もさらっと読んでおいた方が良さそうやな…。
人生半ばの過渡期の課題
人生半ばの過渡期には、
- 若さと老い
- 破壊と創造
- 男らしさと女らしさ
- 愛着と分離
という基本的対立を、自分にふさわしい形で解決すること、これを受け入れ自己の内部に統合していくことが中年期の主要課題であるとしています。
まとめ
発達段階の過渡期は特に覚えておきたいポイントになります。
特に人生半ばの過渡期は試験にも出題されたこともありますので要チェックですね。
レビンソンの練習問題が下記になりますのでチャレンジしてみてください。
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