感情的アプローチに共通する基本的な考え方は、次のようになります。
- 人は自分の感情に真に触れれば、十全に発達し、自己実現することができる。
- 人は、自分の感情や考えを自由に表現し、それを確かめ、それによって自分の経験と感情を呼び戻すような人間関係を求めるものである。
- 人はこの感情や経験が自分自身の価値観の基盤となったとき、自己実現を目指して機能できる。
このような観点から、具体的なカウンセリングの展開にあたっては、次の点を重視しながら展開します。
- 「いま、ここに」に集中する。
- 想像や知的理解ではなく、「現実」を経験する。
- 全感覚を用いて、「自己」、「自分自身の価値」に気づいていく。
- 自分の行動、感情、思考に責任を持つ。
- カウンセリングの重点は、1対1の「人間関係の質」を高めることである。
本記事では、感情的アプローチに関する理論についてポイントと提唱者をまとめています。
来談者中心カウンセリング
ロジャーズ
感情的アプローチの代表は、ロジャーズによって開発・展開された「来談者中心カウンセリング」になります。
- 来談者中心カウンセリング(来談者中心アプローチ)
- 無条件の肯定的関心
- 共感的理解
- 自己一致・純粋性
- エンカウンター・グループ
実技試験においても重要なアプローチとなりますので、しっかり学習しておきましょう。
ロジャーズの来談者中心カウンセリングに関する記事が下記になります。
精神分析的カウンセリング
フロイト
フロイトの精神分析学と治療法をカウンセリングの分野に応用したのが、精神分析カウンセリングで、精神分析理論に基礎を置いたカウンセリングになります。
- 精神分析理論
- 局所論
- 構造論
- 発達論
- 防衛機制
フロイトの理論についてポイントをまとめた記事が下記になります。
また、過去にも出題されている防衛機制を僕なりの勉強法でまとめた記事が下記になりますの参考にしていただければと思います。
交流分析
バーン
理論的出発点は精神分析に由来しますが、『今、ここ』の感覚や、人間と人間の実存的出会いを土台とするため、人間性心理学(ヒューマニスティック・アプローチ・カウンセリング)の理論として位置づけられています。
- 交流分析
- 交流パターン分析
- ゲーム分析
- 脚本分析
- 構造分析
バーン:交流分析:ゲーム分析:脚本分析:構造分析といった関係性は覚えておきたいポイントです。
バーンの理論について過去問の傾向からまとめた記事が下記になります。
フォーカシング
ジェンドリン
フォーカシングとは、クライエントの中にある「言葉にしがたい身体感覚」を傾聴することが問題解消に重要であると見出して、これを中心に体系化した技法になります。
- フォーカシング
- フェルトセンス
出題率は高くはありませんが、個人的には面白いと感じた理論ですので覚えやすい印象です。
ジェンドリンのフォーカシングについてまとめた記事が下記になります。
ゲシュタルト療法
パールズ
ゲシュタルト療法は、実存主義的、現象学的を基盤とした心理療法で、人間をありのままに捉えようとするもので、体験的な『気づき』を経て、より『自分らしく生きる』ことや、価値観を確立する心理療法になります。
- ゲシュタルト療法
- 「今ここ」での「気づき」
『今ここ』での『気づき』を得る心理療法の体験を重視し、クライアントのゲシュタルトの回復を目標にしています。
パールズのゲシュタルト療法についてまとめた記事が下記になりますので参考にしてください。
まとめ
カウンセリング理論は、提唱者と理論やキーワードの組み合わせ問題が多く出題されますので、関係性はしっかり抑えておきましょう。
また他のカウンセリング理論に関して、まとめた記事が下記になりますので参考にしていただければと思います。