意思決定論のハリィ・ジェラット(Gelatt.H.B)ですが、前期の連続的意思決定プロセスと後期の積極的不確実性を主要概念とする理論があります。
テストでよく見るのは意思決定ですが、両方覚えておきたいところです。
本記事では、ジェラットの主観的可能性と連続的意思決定、そして積極的不確実性についてまとめています。
ジェラットの前期理論①主観的可能性
ジェラットは意思決定の3つのステージのうち、価値システムにおける人間が陥りやすい「誤り」に注目し、キャリアにおける意思決定に当たっては、自分の興味に関連しているからこそ、望ましいものに見えてくる、という主観的可能性が採用されやすいと示唆しました。
客観的なデータを与えて、正しい道筋を指し示し「コントロール」するのではなく、誤りに満ちがちな主観的可能性に縛られない「フリー・チョイス」を進行させることを目指しています。
主観的な思い込みで狭められていた選択肢の範囲よりも、より幅広い範囲のなかから選択できるようになるかもしれないという考えです。
ジェラットの前期理論②連続的意思決定プロセス
意思決定を成立させる基本要件として、
- すべての決定には決定を行う個人が存在していること
- 情報に基づく2つ以上の選択肢の中から選択して行動しなければならないこと
を挙げています。
そして、その意思決定を行うプロセスは下記の3段階のステップにわけて行われていると述べています。
三段階のシステム
- 予測システム:可能性のある選択肢の予測を行い、選択肢それぞれがもたらす結果の起こり得る可能性を判断する。
- 評価システム:予測される結果がどれぐらい自分にとって望ましいかを評価する。「自分の価値観にあっているか」「自分の興味・関心にあっているか」などを評価する。
- 決定システム:可能な選択肢を目的や目標に照らし合わせて評価し、決定基準に合っているものを選択する。
上記の3ステップを繰り返しながら意思決定がされるとしています。
書いてあることは難しそうやけど、普段から無意識に行っている普通な行動やな!買い物するときとかに照らし合わせたら覚えやすそうやで!
覚えやすい動画も貼っとくでー!
これらの理論は前期理論とされていて、その後の研究や不確実である社会的背景から、これを補う後期理論『積極的不確実性』が提唱されています。
積極的不確実性(肯定的不確実性)
積極的不確実性が後期理論になりますが、前期理論と対立するものではなく補うものになります。
その意思決定の新たなガイドラインとして、
- 情報は限られており、変化し、主観的に認知されたものである(主観的可能性の発展)
- 意思決定は、目標に近づくと同時に、目標を創造する過程でもある(探索的結果の発展)
の2点を提示しました。
「未来は存在せず、予測できないものである。」と述べ、不確実な未来に対しても肯定的に認知し、ありのままを受容すること(心の目『mind eye』)の重要性を述べています。社会の不確実さを積極的に受け入れて意思決定するためには、客観的で合理的なストラテジーだけでなく、主観的で直感的なストラテジーを統合して用いなければならないということになります。
この理論は過去思考のカウンセリングとは異なり、未来志向の創造的カウンセリングであると位置づけました。また、ジェラットは左脳ばかりではなく右脳も使う『全脳型アプローチ』による意思決定を提唱しています。
ジェラットはかつてのキャリア開発は『山登り』という登頂を目的とした一回きりのものやったけど、変化の激しい現代では激流を筏で下る『旅の過程』やと言ってるで。その旅は行程や過程に意味があって目標に到達することだけに意味があるのではない。らしいわ!男前やなー!
まとめ
ジェラットについてまとめていきました。
やはり、理論が現代に近づくにつれ、理解しやすい現環境に適した理論になってきていることが分かります。
ジェラットの前期・後期理論は試験対策として要チェックですね!
ジェラットに関する過去問の傾向から作成した練習問題が下記になりますので挑戦してみてください。
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