学科試験でもマーク・L・サビカス(Savickas,M.L.)の出題率はかなり高くなっています。
特にキャリア・アダプタリティ、キャリア構築インタビューはよく見かけるので要チェックになります。
本記事では、そんなサビカスのキャリア構築理論についてまとめています。
キャリア構築理論
キャリア構築理論は社会構成主義をメタ理論としています。
重要な3つの概念として、
- 職業的パーソナリティ
- キャリア適合性(アダプタビリティ)
- ライフテーマ
があります。
職業的パーソナリティ(特性における個人差)
職業的パーソナリティは『個人のキャリアに関連する能力、ニーズ、価値観、関心』と定義されていて、特性因子論や人-環境適合の延長線上にありますが、大きく違う点として人と環境を適合する概念ではなく、人と環境がどの程度あてはまりそうなのか示す手がかりとしています。
そして、人々の解釈や理解によって容易に変化しうる動的なものであり、その意味で主観的なものであり、そのように捉える方が現実的であるとしています。
つまり、特性を見分けるという考え方はキャリアを構築する上での一つの指標に過ぎず、可能性としての仮説であると主張しています。
なるほど、特性因子理論とはまた違うんか。
キャリア・アダプタビリティ(発達課題と対処方略)
キャリア・アダプタビリティは「現在あるいは直近の職業的発達課題、職業的移行、個人的トラウマなどに対処するための個人のレディネスおよびリソース」と定義されています。
つまり常識的なキャリアの捉え方に個人独自の解釈から対処・対応するための考え方が重要となるということになります。
そして、キャリア適合性を高めるための4次元が下記になります。
- 関心:未来に向けて備える→「私に未来はあるのか」
- 統制:キャリアを構築する責任は自分にある→「誰が私の未来を所有しているのか」
- 好奇心:自分と職業の適合のため、職業の環境を探索する→「自らの未来をどうしたいのか」
- 自信:進路や職業の選択に必要な行動を適切に実行できる自己効力感→「私はそれを実現できるか」
なんだか難しい言葉がいっぱいやけど、キャリア・アダプタビリティの4次元は過去問にも出てるし覚えとくで。
キャリア・アダプタビリティの4次元についての覚え方や深堀りした記事が下記になりますので、チェックしておいて下さい。
ライフテーマ(心理力動的な動機づけ)
職業生活のもっとも主観的な部分にかかわるもので、人々の職業行動に意味を与え、なぜその仕事で働くのかを明確にする概念。
長期的な目標を追求しつつ統一感のあるキャリアを形成することが難しい現状で、キャリアに統一感のある意味や価値観を与える解釈の枠組みがライフテーマになります。
キャリアストーリー
キャリアストーリーとは、個人が直面した発達課題やトランジションを語るもので、ライフテーマはキャリアストーリーの中で語られます。
キャリア構築インタビュー
キャリア構築インタビューはナラティブ・セラピーというホワイトとエプストンの心理療法をベースにしています。
クライアントは語り得るすべての物語のなかから、今の自分自身が聞く必要のあるストーリーを語り、その内容は「物語的真実」である。「物語的真実」があることによって、個人は変化に直面したときに柔軟性をもちながら一貫性を保つことができる。
ライフテーマを明らかにするためにキャリア構築インタビューという下記の5つの質問があります。
- 尊敬している人物
- 定期的に見る雑誌やテレビ番組
- 好きな本
- 好きなことわざやモットー
- いちばん最初の思い出
キャリア構築理論ではキャリア構築インタビューで語られるライフテーマを重視します。
まとめ
冒頭にも書きましたが、サビカスのキャリア構築理論の中でもよく過去問で見かけるのはキャリア・アダプタビリティとキャリア構築インタビューに関する問題です。
試験までに何度も読み返して、ポイントを抑えておきたい項目になります。
過去問の傾向を反映したサビカスに関する練習問題が下記になりますのでぜひ挑戦してみてください。
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