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【キャリコン】ブルースティンの社会正義論【忘れられた半分の声】

キャリア理論

ブルースティン(Blustein.DL.)の社会正義論は、6訂版のキャリアコンサルティング理論と実際に新たに掲載されました。

著書の下村英雄先生も重要視している、多文化キャリアカウンセリング論を一歩進めたキャリアカウンセリング理論となりますので、しっかりインプットしておきたいところです。

本記事では、そんなブルースティンの社会正義論についてポイントをまとめています。

ブルースティンの社会正義論

ブルースティンはキャリア支援にとって最も重要な要因は『社会階層』だと述べています。労働者階級や貧困層では特に問題になり、社会階層は『最もパーニシャス(pernicious:致命的・有害)』な影響を与えるとしています。

また、研究についての『忘れられた半分の声:学校から職業への移行における社会階層の役割』といった著書は社会正義のキャリアカウンセリング論で多く引用されています。

そして、上位階層と下位階層の若者に行ったキャリア意識等のインタビュー結果は、

  • 上位階層(アッパー):自分の能力にあった仕事をすることが重要
  • 下位階層(ローワー):仕事をする理由はお金のため

となっており、『忘れられた半分』であるローワーの声を重視する必要があるとしています。

4つの指摘

その具体的な支援として、

  • スキル開発:貧困層のクライエントには特に重要
  • 構造化されたグループ支援:孤独感や孤立感を軽減するのに役に立つ
  • メンタルヘルスとキャリアの統合:貧困や社会からの疎外に悩むクライエントは、複数のストレス要因に直面していることが多く、精神的な健康に問題を抱えていることから。
  • 批判的意識:クライエントに自分が置かれた文脈の要因を自覚させることで、クライエントに力を与え、自責の念を減らし、最適な形で自立性を高めることができる。

を重視しています。

社会的な問題で不利益を被る可能性のあるクライエントを手厚く支援し、自らキャリアを選択する幅を広げるべく支援するのが、社会正義のキャリアカウンセリングということになります。

社会正義のフレームワーク

米国カウンセリング学会(ACA)が『ACAアドボカシー・コンピテンシー:カウンセラーのための社会正義フレームワーク』にまとめています。

クライエント 組織 公共空間
一緒に行動する クライエントの
エンパワメント
組織間の連携 情報発信
代わりに行動する クライエントの
アドボカシー
システムに対する
アドボカシー
社会的・政策的な
アドボカシー

特徴としては、

  1. クライエント・組織・公共空間の3つのフィールドで整理した点
  2. 一緒に行動する・代わりに行動するの2種類の行動を示した点

の2つが挙げられます。つまり、3つのフィールド×2種類の行動で、6つの活動が社会正義のカウンセリングでなすべきこととなります。

アドボカシーとは?
一般的には『弁護、支持』やキャリアコンサルティングでは『環境への働きかけ』等になりますが、ここでは『クライエントの代わりに代弁者となって問題解決をする』ことを指しています。

6つの内容としては、

  1. クライエントのエンパワメント:クライエントと協力して行うアドボカシー
  2. クライエントのアドボカシー:クライエントのために効果的に交渉する
  3. 組織間の連携:組織・コミュニティと協力して、問題や制度上の障害を明らかにする
  4. システムに対するアドボカシー:個人がシステムに変化を起こせる立場にないときに行う
  5. 情報発信:一般の人々の意識を高める
  6. 社会的・政策的なアドボカシー:政策や法律上の制約や不公平に直面したクライエントのために行動する。

等となっています。

社会正義論か…!

これはこれから大事な理論になってくるな!

まとめ

社会正義論は6訂版キャリアコンサルティング理論と実際のもう一人の著者である下村英雄先生が、新たに掲載した情報となります。

5訂版は学科試験での出題率は非常に高かったので6訂版も要チェックの書籍となります。また、6訂版では最新の情報にアップデートされている箇所が多々ありますので、キャリコンスタディも合わせてアップデートしていきたいと思います。

しっかりインプットしていきましょう!

 

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