» NEW! 第28回受験生向け『過去問解説』キャリスタ有料会員のお申し込み受付中! «

【キャリコン】企業におけるキャリア形成支援の知識【人事労務管理】

企業におけるキャリア形成支援

人事・労務管理ですが15回試験からは試験出題範囲を見ると企業におけるキャリア形成支援の知識となっています。

その内容は、企業におけるキャリア形成支援に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること、

  1. 企業における雇用管理の仕組み、代表的な人事労務施策・制度の動向及び課題セルフ・キャリアドックをはじめとした企業内のキャリア形成に係る支援制度・能力評価基準等ワークライフバランスの理念労働者の属性(高齢者、女性、若者等)や雇用形態に応じたキャリアに関わる共通的課題とそれを踏まえた自己理解や仕事の理解を深めるための視点や手法
  2.  主な業種における勤務形態、賃金、労働時間等の具体的な労働条件
  3.  企業内のキャリア形成に係る支援制度の整備とその円滑な実施のための人事部門等との協業組織内の報告の必要性及びその具体的な方法

となっています。

本記事では、そんな企業におけるキャリア形成支援の知識についてまとめています。

経営管理

企業経営を構成する要素はヒト(men)・モノ(material and machine)・カネ(money)の3M、それに情報(infomation)であると言われています。

人事・労務管理の4つの側面

雇用管理

  1. 募集
  2. 採用
  3. 配置
  4. 異動
  5. 昇進
  6. 教育訓練
  7. 能力開発
  8. 退職

の採用から退職までの雇用に関する一連の管理施策を総称して雇用管理と言います。

ここでの雇用管理とは「生産要素」の1つとしての労働能力という意味が強くなっています。

労働条件管理

従業員の労働条件や作業環境、労働時間などを管理して労働力の保全・維持するためのものになります。

  • 賃金管理
  • 労働時間管理
  • 安全衛生管理

といった労働条件に関する管理が労働条件管理になります。

人間関係管理

人間関係管理とは、労働者のメンタル面を管理して、働きがいを向上させるものになります。

  • 人間関係管理:モラール管理・モチベーション管理・リーダーシップ管理・組織管理
  • 福利厚生管理:法定福利(健康保険・厚生年金・労働保険等)・法定外福利(食事・慶弔・住宅等)
モラール管理:企業への忠誠心・帰属意識の管理。愛社精神
モチベーション管理:やる気を起こす動機づけを与えること。

人間関係管理には、

  • 自己申告制度
  • 提案制度
  • 小集団活動
  • カウンセリング
  • 苦情処理制度
  • 従業員意識調
  • 査社内クラブ活動
  • 組織活動

やその他の各種福利厚生などがあります。

職務設計

職務内容を定めることを職務設計といいます。

人間性や自己実現の欲求を重視した職務設計には、

  • 職務充実:責任や権限の範囲の拡大
  • 職務拡大:職務の課業を増やして仕事の範囲を拡大
  • 職務転換(ジョブローテーション):広範な職務を経験。成長感・達成感の充実

などがあります。

労使関係管理

労使とは労働者と使用者(経営者)の関係のことで、両者は経済的取引者として対立しています。この関係を労使関係と言います。

労働組合と経営団体との間に成立するのが集団的労使関係で、個々の労働者と使用者の場合は個別的労使関係と言います。

この労使関係の円滑化の施策が労使関係管理となります。

なんか過去問で見かけたことがある言葉出てきてるなー。

組織への働きかけにおける基本的態度

キャリアコンサルティングの対象は、相談者個人だけではなく、その相談者に関わる組織、対人関係、家庭、地域、社会など、個人を取り巻く環境になります。

その際に気をつける点として、

善良なる管理者として払うべき注意義務
善管注意義務
一定の裁量権は有するが「善良な管理者」として委任された事務を処理する義務がある。
適正な職務 コンサルタントとしての誇りを持ち、法律や公序良俗に反する行為をしてはならない。
守秘義務 原則、職務上知り得た情報については守秘義務を負う。
但し、身体・生命の危機が察知される場合、組織に及ぼす影響が個の守秘に優先する場合、法律に定めがある場合はこの限りではない。
組織への働きかけ 相談者の支援だけでは解決できない環境問題などは、改善の提案を組織・企業へ働きかけるように努めなければならない。(努力義務)
利益の相反 契約関係にある組織と相談者の間に利益が相反する恐れがある場合は、事実関係を明らかにし、相談者の理解の上で業務に当たらなければならない。
企業・組織への報告義務 企業・組織と契約関係にある場合に、相談者に対する効果的な援助を妨げる状況にあるときは、相談者の了解を得て組織に報告しなければならない。(義務規定)

があります。

組織でのキャリアコンサルティングの時に気をつけなアカンところやな!

人事・労務管理の特徴

  • 終身雇用慣行:一定年齢まで雇用される慣行
  • 年功序列賃金制度:勤続年数とともに上昇する賃金制度
  • 企業別労働組合と労使協調路線:企業別に労働組合が組織されていること
  • 新規学卒者一括採用と企業内教育・ジョブローテーション:企業に合う従業員の育成
  • 内部調達と内部昇進:社内における従業員の再配置が中心
  • 平等主義:職務・ポストに関わらず「基本的には平等」一般社員と経営者の給与格差は世界各国と比べて小さい
  • 成果主義:成果を上げた者に報いるという企業哲学

などがあります。

ただ、経済のグローバル化や少子高齢化などにより企業にも労働者にも意識や環境の変化が及んでいます。つまり「個人の論理と、企業の論理の共生を図る」という傾向になりつつあります。

キャリア形成支援の3つの視点

アメリカにおいて1980年代から発展している「人に焦点を当て、人の成長と組織の発展を同時に達成する」3つの組織管理が重視されています。

  • 人的資源管理(HRM)
  • 従業員援助プログラム(EAP)
  • キャリア開発システム(CDS)

人的資源管理(HRM)

教育・訓練、評価、募集、採用、キャリア開発、職務成功のための計画、労働力計画、職務充実及び組織開発などの組織が行う管理施策になります。

人事労務管理や雇用管理との相違点は、組織のためではなく従業員個人のキャリア形成を主要な目的としている点になります。人材開発とも言われます。

従業員援助プログラム(EAP)

心と身体の健康を阻害している、ストレス、アルコール中毒、薬物依存、家庭不和、対人関係障害、金銭問題などに悩んでいる従業員への援助になります。

従業員援助プログラムは、

  • 心とからだの健康保持増進措置(THP)
  • メンタルヘルスケア
  • 職場復帰支援

などがあります。

キャリア開発システム(CDS)

個人のキャリア形成のニーズと企業が従業員に求めるニーズとの調和を図るための組織的、計画的かつ継続的なシステムづくりのことになります。言い換えると、真のHRMを実現するための組織・体制づくりとなります。

CDPが個人に対するプログラムになりますが、CDSはそれを含むキャリア開発全体のことになります。

  • 教育訓練計画
  • 体系的能力開発

などが該当します。

こういった、キャリア形成支援の3つの視点に共通するように、個人の職業的成功と企業の組織目標の達成にあたって、「個人の論理と、企業の論理の共生を図る」ということがあります。

そして、その架け橋の役割を担うのがキャリアコンサルタントということになります。

まとめ

人事と労務管理についてざっくりと概要をまとめてみましたが、この時点で難しい印象を受けます。

今後の記事ではさらに細かく深堀りしていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました