プロティアン・キャリアで有名なダグラス・ホール (Douglas T. Hall)ですが、
- アイデンティティ
- アダプタビリティー
といった重要なキーワードもあります。
本記事では、そんなホールの理論『プロティアン・キャリア』についてまとめています。
プロティアン・キャリア
ホールが提唱したキャリア理論。
キャリアは生涯を通じた経験・スキル・学習・転機・アイデンティティの変化の連続であるとして、変化の激しい現在では、依存的でも独立的でもない、相互依存的な人間関係の中で学び続けることで「変幻自在なキャリア(Protean Career) 」 を築いていけると言っています。
関係性アプローチとも呼ばれています。
ホールによるキャリアの定義
- 昇進:成功や失敗を意味するのではなく、早い昇進や遅い昇進を意味するものでもない
- 専門職:成功や失敗は本人によって評価されるもので、他者に評価されるものではない
- 生涯を通じた職務の連続:主観的なキャリアと客観的なキャリア双方を考慮する必要がある
- 生涯を通じた役割に関する経験の連続:プロセスであり、仕事に関する経験の連続である
プロティアンキャリアと伝統的なキャリアの比較
項目 | プロティアン・キャリア | 伝統的キャリア |
主体者 | 個人 | 組織 |
核となる価値観 | 自由、成長 | 昇進、権力 |
移動の程度 | 高い | 低い |
重要なパフォーマンス側面 | 心理的成功 | 地位、給料 |
重要な態度的側面 | 仕事満足感、専門的コミットメント | 組織コミットメント |
重要な アイデンティティ側面 |
自尊心(自分を尊敬できるか)、自己への気づき(自分は何がしたいのか) | 他者からの尊敬(この組織から自分は尊敬されているか)、組織における気づき(私は何をすべきか) |
重要な アダプタビリティ側面 |
仕事関連の柔軟性、現在のコンピテンシー(測度:市場価値) | 組織関連の柔軟性(測度:組織で生き残ることができるか) |
この表は覚えといたほうがええんやろな!
とりあえず、プロティアンキャリアの方は自由な感じやな!
2つのメタ・コンピテンシー
プロティアンキャリアを形成するのに必要な2つのコンピテンシーとして、
- アイデンティティ (Identity):価値観、趣味、能力への自己理解と過去と現在と将来の自己概念。自我同一性。
- アダプタビリティー (Adaptability):変化への適応スキルと適応モチベーション。
アダプタビリティ=適応コンピテンス×適応モチベーション
があります。
なんやコンピ?コンピテ?
難しい言葉やなー。ちょっとじっくり勉強させてもらうわ。
まとめ
プロティアン・キャリアと伝統的なキャリアの違いは過去問でも何度も出題されているので要チェックです。難しい単語が出てくると、その意味を理解するところから勉強することになるので大変ですね。
ホールに関する練習問題を下記に用意していますので、ポイントを掴みつつ挑戦してみてください。
【キャリコン】ダグラス・ホールの試験対策『◯✕練習問題』
ダグラス・ホールに関する◯✕練習問題になります。 本記事の問題はキャリアコンサルタントの試験対策用に作っていますので、 全過去問の傾向 新版キャリアの心理学 渡辺三枝子 を主に参考にしているのと、問は随時追加していこうと思っています。 では...
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