ジークムント・フロイト(Freud,S.)の精神分析理論ですが専門的な用語も多く理解が難しいです。
参考資料としては、キャリコン勉強をしている方なら知っているかと思いますが、いわゆるジル資料に詳しく書かれていますので、読んでみてください。
フロイトの無意識
フロイトは自分でも気づくことができない領域である、無意識の存在を仮定しました。
意識的な力と同様かそれ以上に、無意識的な力が行動を決定していると提唱しています。
関係ないけど、ジークムントってカッコええな…。
精神分析的アプローチ
精神分析的アプローチでは、クライエントの症状や問題の背後にある無意識的な不満や葛藤などを表出させ、それまで気づかなかった自分に気づかせることで、新たな自己理解を深め、症状の改善や悩みが薄らぐことを目指します。
そのために下記のような幾つかの精神分析理論をもって、現在の行動にどのような影響を与えているかを考えます。
局所論
フロイトは心の世界を『意識』『前意識』『無意識』に区分しました。
それぞれの意識は、
- 意識は、いま気がついている領域
- 前意識は、普段は気がついていないが何かのきっかけで意識にのぼったり思いだそうと努力することで思い出せる領域
- 無意識は、自分で思い出そうと努めても意思の力では思い出すことができない領域
となります。
構造論
フロイトは心の構造を『自我(ego)』『イド(エス)』『超自我(super ego)』の3層からなる心的装置、構造論として捉えました。
- 自我は、主に意識的な心の働きである。外界からの要請を受けて、イドや超自我にせまられながらその間の調整機能を果たしている。「現実原則」で動く。
- イドは、無意識的な本能欲求である。自我に対して願望の充足をせまるが、超自我の指令が優先と判断された場合には願望を抑圧する。「快楽原則」で動く。
- 超自我は、自我に対する裁判官(検閲機関)または理想像の役割をもつ。本能欲求に禁止を行って自我に罪悪感を生じさせたり、自我にあこがれの感情をもたらし理想に近づこうとさせる。「道徳原則」で動く。
発達論
フロイトは、人間の発達段階に合わせ身体の特定の部位が敏感になりリビドーを満たすと考えました。
各段階(年齢)と身体の部位は、
乳児期(0歳~1歳半) | 口唇期 |
幼児期前期(1歳半~3歳) | 肛門期 |
幼児期後期(3歳~5歳) | 男根期=エディプス期 |
児童期(6歳~12歳) | 潜在期 |
思春期(12歳~) | 性器期 |
となります。
防衛機制
防衛機制は、自我に危険を及ぼす存在から心理的な安定を保つために用いられるさまざまな心理的作用になります。
この防衛機制自体は無意識的かつ反射的に生じるもので、誰にでも認められる正常な心理的反応であるとされています。
防衛機制 | 内容 |
抑圧 | 受け入れがたい苦痛な感情・記憶などを意識から閉め出す。 臭いものにフタ。忘却。 |
置き換え | 欲求が阻止されると、別なもので満足する。 妥協。 |
昇華 | 認められない欲求を、社会的に受け入れられる⽅向へ置き換える。健康的なものとされる。 芸術、研究、スポーツで頑張るなど。適応的。 |
反動形成 | 自分の受け入れがたい側面(劣等感・憎悪)を無意識状態にしておくために、他の側面の態度(尊大・愛情)を強調する。 弱者のつっぱり。 |
投影(当射) | 自分のなかにある感情や欲求を、他人が自分へ向けていると思う。 疑⼼暗⻤。偏⾒、迷信、宗教的観念にもみられる。 |
隔離(分離) | 思考と感情、感情と⾏動が切り離される。 自分のことなのに他人事。 |
取り消し・打ち消し | ⾏為や思考にともなう不安や罪悪感を別の⾏動や思考で打ち消す。 強迫的に手を洗うことは、罪悪感の打ち消し⾏為。 |
退⾏ | 幼児期など、以前の発達段階に戻る。 子どもがえり。 |
取り入れ・同一化 | 相手の属性を自分のものにする。相手を取り入れて自分と同一と思う。 憧れている人のまねをする。相手にあやかる。真似。 |
否認 | 不安を起こすような外的現実を知覚しても認知せず、否定する。 現実を認めない。 |
合理化 | 満たせなかった欲求に理由をつけて正当化する。 すっぱいブドウ。 |
知性化 | 感情や欲動を直接には意識しないで、知的な考えでコントロールする。 現代社会では適応的。 |
転換 | 不満や葛藤を身体症状へ置き換える。 ヒステリー。 |
解離 | 人格の統合が分離してしまう。 多重人格。 |
防衛機制は過去問でも出題されているので数は多いけど把握しておきたいな!
防衛機制はじっくり読むと『人は皆弱い』って思うで、だから基本姿勢とか優しい気持ちで臨めるようになるんやで!これは大きなポイントや!
フロイトの防衛機制は種類も多くて覚えるのが大変だったので、簡単に一言で覚えるための勉強方法を下記記事にまとめていますので、よかったら参考にしてください。
まとめ
フロイトについてまとめていきました。
過去問では、そこそこ名前が出てきています。なかでも防衛機制についての問題が多くなっているので、要チェックです!
フロイトの過去問の傾向から作成した練習問題が下記になりますので挑戦してみてください。
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