システマティック・アプローチの第3段階である意思決定ですが、キャリアコンサルタント学科試験にもほぼ毎回出題されています。
ただ、問題のバリエーションはそこまで多くないので、ポイントを抑えて、キャリコン視点からアプローチしていけば正解を導くのは容易な項目となっています。
本記事では、そんな意思決定の支援について過去問の傾向からポイントをまとめています。
意思決定の前提
意思決定の前提として、
- クライアントは受動的ではなく、積極的な役割を果たすことができる。
- 1つを選択することは、他を捨てることでもある。「何を捨てるか」は、「何を選ぶか」と同様に重要である。
- 意思決定には、必ず「不確実性」が伴う。また、決定されたことは変わることがある。意思決定は「完璧性」を求めるものではなく、複数の可能性を見いだすようにはげますことである。
- 意思決定のタイミングは、その内容と同様に重要である。
があります。
ここはよく試験に出るから要チェックやで!
意思決定のプロセス
意思決定は、次のようなプロセスで行います。
- 達成すべき目標と、それによってもたらされる利点を確認する。
- 目標に至る行動計画(Action Plan)を検討する。
- その行動をとった場合のメリット、デメリット、必要な経費、実現可能性を検討する。
- 検討するための情報を収集、活用、専門家の意見、技術的援助を求める。
- 最終決定の前に、各選択肢のメリット、デメリットを比較検討する。
- 選択した行動の準備をする。その場合予想される危険や困難性にどう対処するか対策を用意する。
ここも試験に出ることが多いポイントになっています。
意思決定理論
ジェラットの意思決定理論
三段階のシステム
- 予測システム
- 評価システム
- 決定システム
ジェラットは、上記の3ステップを繰り返しながら意思決定がされるとしています。
また後期理論として、三段階のシステムを補完する積極的不確実性という理論を提唱しています。
その意思決定の新たなガイドラインとして、
- 情報は限られており、変化し、主観的に認知されたものである(主観的可能性)
- 意思決定は、目標に近づくと同時に、目標を創造する過程でもある(探索的結果)
の2点を提示しました。
ジェラットの理論について詳しくまとめた記事が下記になりますので目を通していただけると良いかと思います。
ヒルトンの意思決定理論
ヒルトンの意思決定モデルは、心理学の認知的不協和理論を応用したものになります。
ポイントは不協和というワードになっていますので、覚えておいてください。
ヒルトンについてまとめた記事は下記になりますので参考にしていただければと思います。
ティードマンの意思決定のプロセス
ティードマンは、キャリアの意思決定のプロセスを『予期』、『実行』の2つに分け、さらに予期を4段階、実行を3段階に分けました。
予期の4段階
- 探索:多くの選択肢を探す
- 結晶化:選択肢を絞り込み、目標を明確化する
- 選択:絞られた複数の選択肢の中から自分の目標に最も合ったものを選択する
- 明確化:選択肢をより具体化、明確化する
実行の3段階
- 導入:目標実現のために、行動を始める
- 変革:新しい知識、問題解決方法を身につける
- 統合:目標の実現
ティードマンの意思決定のプロセスについてまとめた記事が下記になりますので参考にしてください。
まとめ
意思決定の支援からの出題傾向としては、木村周先生のキャリアコンサルティング理論と実際を抑えておけば充分かと思います。
また意思決定理論は、ジェラット、ヒルトン、ティードマン辺りがポイントになっています。
しっかり正解を取りたいところです。