2020年からキャリアコンサルタント学科試験範囲に明記されたワードの一つにリカレント教育があります。
これまでも職業能力開発という科目で、リカレント教育と呼べる内容の出題は多くありましたが、明記されたことで、より深堀りしておく必要があると思われます。
本記事では、そんなリカレント教育についてポイントをまとめています。
リカレント教育とは?
リカレント教育は、ユネスコによる生涯教育構想に呼応して先進諸国を中心に構成するOECD(経済協力開発機構)が1973年に提唱した教育改革理念になります。
リカレント教育の推進においては、学校教育と社会教育とを循環させるシステムの構築が目標とされており、大学間・産学連携によるプログラムの作成とその全国展開などの方針があります。
まとめると、学校教育終了後、社会に出てからも高等教育が様々な形で受けられる機会を提供し、教育を生涯に分散させるという考え方(理念)になります。
また、職業生活設計に即した学び直し(リカレント教育)の機会への結びつけ、そのキャリア形成上の活用等のガイダンスはキャリアコンサルタントが担うべき役割となっています。
リカレント教育の拡充
通学等での学び直し(リカレント教育)を行っている人の割合をOECD諸国で比較すると、日本の割合は2.4%と、英国の16%、アメリカの14%、OECD平均の11%と比較して大きく下回っており、データが利用可能な28か国中で最も低い水準となっている。
文部科学省の取り組み
文部科学省は、リカレント教育の推進には、ニーズを的確に捉え続け、リカレントプログラムを継続的に実施できる体制づくりや、受講者が学びを深め続けられる仕組みづくりが重要としています。
具体的には、大学間連携によるネットワークを形成することで、『企業等に積極的に働きかけ→より幅広いニーズと受講者を確保』の他、
- 受講料等により継続的にリカレントプログラムを実施
- 拠点大学からリカレントプログラムを全国へ展開
- 通信教育やオンライン講座の拡充
などがあります。
厚生労働省の取り組み
厚生労働省では、リカレント教育機会の拡充に向けて、特定一般教育訓練給付制度を創設しました。
『人づくり革命基本構想』などで『ITスキルなどキャリアアップ効果の高い講座を対象に給付率を2割から4割に倍増する』とされたことを踏まえ、労働者の速やかな再就職と早期のキャリア形成に資する教育訓練となっています。
まとめ
リカレント教育が試験範囲に明記されてから、15回、16回学科試験では直接的な出題がされています。今後も要チェックとなってくるかと思います。
下記にリカレント教育に関する練習問題を用意していますので挑戦してみてください。