キャリアコンサルタントの勉強を始めると早い段階で学ぶことになる職業選択理論で有名なフランク・パーソンズ(Parsons.Frank)ですが、特性因子理論は試験にも多く出されているので要チェックです。
本記事では、そんなパーソンズと特性因子理論について外せない重要なポイントをまとめています。
パーソンズとは?
職業指導の創始者ともいわれていて、著書に『職業の選択(1909)』があります。
パーソンズについての重要なキーワードとしては、
- 特性因子理論
- マッチング理論
- ペグの理論
があります。どれも特性因子理論のことを指しています。
特性因子理論
特性因子という言葉を分解して考えると分かりやすくて、
- 特性(個性・パーソナリティ・自分自身)
- 因子(環境・仕事内容・必要能力)
となり、これらを合理的な推論を元に適合(マッチング)させることで職業満足度やパフォーマンスが上がるといった理論になります。
ネジとネジ穴がピッタリと合うような適合を重視することから『ペグの理論』とも言われています。
3要素と7段階の支援
適合を実現させるための3要素と7段階の支援があると提唱しています。
3つの要素
- 自分自身(適性、能力、興味、目標、強み、弱み、そして、それらの原因)についてはっきりと理解すること。
- 仕事に付随する各種の情報(仕事の要件、成功の条件、有利な点、不利な点、報酬、就職の機会、将来性)を得ること。
- これら2つのグループの関係について「正しい推論(true reasoning)」をすること。
を挙げています。
上記を端的に言い換えると、
- 自己分析(自己理解)
- 職業分析(仕事理解)
- 理論的推論(思考投入)
となります。
3つの要素を支援する7段階
3つの要素を支援する7段階
- 個人資料の記述:個人の就業に関する主要な要因を記述する。その際には、職業教育と関係がある課題を忘れずに記述する。
- 自己分析:自己分析はカウンセラーの指導のもと実施する。職業の選択に影響を与えるかもしれない傾向と興味はすべからく記録したほうがよい。
- 選択と意思決定:選択と意思決定は最初の 2 つの段階においても起きる可能性がある。
またカウンセラーは、職業の選択はクライエントによりなされるべきであるということを心に留めなければならない。- カウンセラーによる分析:カウンセラーは、クライエントの意思決定の結果が、クライエントが探求しているものと整合性がとれているかを分析する。
- 職業についての概観と展望:カウンセラーの支援のもとクライエントの職業に関する概観と展望を支援する。カウンセラーは職業分類や職業、職業訓練の実施場所といった産業の知識に精通しているはずである。
- 推論とアドバイス:この段階では、論理的で明確な推論と結び付けられた態度はとても重要である。
- 選択した職業への適合:カウンセラーは、クライエントが選んだ仕事への適合と、意思決定に関する振り返りを支援する。
参照元:労働政策研究・研修機構
3要素と支援の7段階という数字はまずは覚えておきたいところやで!
パーソンズの研究に対して
- 適材適所の考えに固執している
- 指示的でカウンセラー中心
- 人間と職業との関係性の捉え方が過度に一面的、固定的、静態的である
- 心理テストや検査に依存している
といった批判的な指摘もありますが、一般職業適性検査(GATB)やアセスメントツール、学生向けのキャリアガイダンス・オリエンテーションなどにも活用されています。
まとめ
といったところになります。
あと余談としては、産業革命の頃、若者と職業のマッチングの不適合の解決に職業相談所を開いて尽力したとのことです。
特性因子理論に関しては記事にも書いたように批判があるようですが、現在でも多くの影響を与えているので、キャリアガイダンスの根幹の理論と言えるのでぜひ覚えておきたい理論になります。
パーソンズの理論の『◯✕練習問題』を用意していますのでご利用ください。
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