「キャリアコンサルタント試験の論述の書き方が定まらない。何にでも対応できる例とかテンプレート的なものがあれば教えて欲しい。」
といった方に向けて、お答えします。
論述は毎回ケースが変わりますし、出題形式も突然変更されたりしますので、ガチガチのテンプレートで挑むと対応が困難になる可能性が大きくなります。
ただ、ある程度、臨機応変に対応できる汎用性の高いスタイルを持っておくと、イレギュラー(設問や事例の変更等)があっても、比較的慌てずに対応できるかと思います。
本記事では、ご自身の論述のスタイルを作っていく方法と、あくまで僕が合格を目指して勉強をする中で、自己一致した状態で回答できるようになった、一つ例として簡易的なテンプレートを参考までにお伝えしたいと思います。
論述のスタイルを作っていく
ロープレでもそうですが、論述でも練習を重ねるうちに自分なりに納得のいく展開や自分自身の特性や得意分野を把握して、徐々にスタイルが出来てくるかと思います。
ただ、このスタイルには完成形はないと言えます。その理由の一つに論述の採点基準の詳細が明言されていない。ということがあるからです。
ですが、少しでも正しい方向性でポイントを掴んで汎用性の高いスタイルに近づけていくことは本番に望む上で準備しておきたい部分かと思います。
まずは、その外せない正しい方向性のポイントとは何かを理解していただければと思います。
外せないポイントとは?
外せないポイントを理解するための指標となるのが、試験科目及びその範囲の細目になります。実技の試験範囲を確認すると、キャリアコンサルティングを行うために必要な技能とあり、具体的には、
- 基本的技能
- 相談過程において必要な技能
となっています。
1.基本的技能
基本的技能をもう少し深堀りすると、
- カウンセリングの技能
- グループアプローチの技能
- キャリアシートの作成指導及び活用の技能
- 相談過程全体の進行の管理に関する技能
とあり、これらのことを理解してキャリアコンサルティングに活用できること。と書かれています。
つまり、これらの技能が使えるということを論述で回答していくと得点に結びつくのではないかと考えられます。さらに言うと、カウンセリングの技能には、
カウンセリングの進め方を体系的に理解した上で、キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができること。
参考資料:キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目
とあります。
つまり、キャリアコンサルタントとしての基本的態度が重要視されていることが分かります。これについては、【超重要】論述でクライエントに寄り添う方法と書き方【キャリコン】に詳しく書いていますのでそちらを読んでいただければと思います。
まずは、基本的態度を持って相談者に寄り添うことがポイントの一つであることが分かるかと思います。
2.相談過程において必要な技能
次に相談過程において必要な技能について見ていくと、
- 相談場面の設定
- 自己理解への支援
- 仕事理解への支援
- 自己啓発の支援
- 意思決定の支援
- 方策の実行の支援
- 新たな仕事への適応の支援
- 相談過程の総括
となっています。赤字にしているところが重要なポイントになります。これらを逐語録や事例から見つけて、対応する方法を、それぞれ下の記事、
で、お伝えしているので、そちらを参考に勉強に活用していただければと思います。
キャリアコンサルタントとして、〇〇理解への支援は外せないポイントになっています。
そして、この基本的技能と相談過程において必要な技能という指標を元に、僕が自己一致して書けるようになったテンプレートが下記になります。
ワイは、試験科目及びその範囲の細目もトイレにリングでまとめて置いてたんやで!
論述の簡易テンプレート
これは最後の設問の『今後の展開』の部分のテンプレートになります。(僕はCC協議会で受験しています。)
内容 | 具体策 | |
1行目から2行目 | 信頼関係の構築と継続 | 労い・コンプリメント・寄り添い等 |
2行目から3行目 | 対話を通じて | 相談者の内的準拠枠や詳細な状況の把握等 |
3行目から5行目 | 相談者の抱える問題への支援 | スモールステップで進めていく |
最後の行 | 主訴に対する方針と展望 | 相談者が自律的、或いは主体的にありたい姿へ近づいていくための支援を継続することの意思表明 |
となります。僕はこの形で回答する練習を行い、本番でも活用し合格しました。
1行目.信頼関係の構築と継続
上で1つ目のポイントとしてお話した、基本的態度を持って相談者に寄り添うという部分になります。
これについては、具体的な書き方や身に付ける方法を含めて下記記事を熟読していただくことが良いかと思います。
2行目.対話を通じて
2行目から3行目の対話を通じてという部分は、より『相談者に寄り添う』ということを強調した形の回答になります。対話を通じて、相談者の抱える問題(自己理解・自己探索等)に対する支援を行います。
ただスタイルとして、相談者に寄り添うことを重要視していて行数に余裕がある方は、記述できれば自己一致した回答をしやすくなるかと思います。
3行目.相談者の抱える問題や理解不足への支援
相談者の抱える問題や理解不足の見つけ方のコツを【論述】キャリコン視点の〇〇理解不足を探すコツ【初期勉強法】に詳しく書いていますので参考にしていただければと思います。
また、見つけることができると、キャリ協なら支援に適したアセスメントツールなど、JCDAなら内省を促すための対応の理解が必要になります。
ここはスモールステップを意識して、段階的にありたい姿へ近づいていけるようなイメージを持って記述してみてください。
具体的なアセスメントツールについては、【論述対策】適切なアセスメントツール選択する方法【キャリコン】で選択する方法をまとめていますので確認しておいてください。
4行目.主訴に対する方針と展望
相談者が、実行する方策や今後の展開(進路・職業の選択、就職、転職、職業訓練の受講等)について、その目標、意義の理解を促し、相談者が自律的・主体的に取り組んでいけるように働きかける意思を書きます。
テクニックとして、ここは残りに書ける文字数のボリュームを考えながら書いていくと収まりが良いでしょう。
まとめ
以上が僕が使っていたテンプレートと解説になります。
僕もでしたが、論述は何度も繰り返し練習することで、段々とご自身のスタイルが見えてくるかと思います。とりあえず、何らかの拠り所となるスタイルは構築して試験に挑める準備をしておくと良いかと思います。
本記事で紹介した、テンプレートはあくまで一つの例ですので、論述対策に苦戦されている方にとって、打開策を見つけるきっかけになれば幸いです。