相談過程の総括は、木村周先生のキャリアコンサルティング理論と実際で言うところの成果の評価と終了(5訂版:P302、6訂版:P397)からの項目になります。
キャリアコンサルタント学科試験での出題率も高いので、紛らわしい言い回しなどに引っ掛からないように学習していくと良いかと思います。
本記事では、そんな相談過程の総括についてまとめています。
相談過程の評価の意味と内容
システィマティック・アプローチの最終段階である成果の評価は、今後の改善を行うためにも大きな意味があるものになります。
評価の内容には以下の、
- クライエントとカウンセラーが、目標に照らして何処まで到達したか。
- クライエントの同意を得て、カウンセリングを終了する。
- カウンセラーは、クライエントの成果を監査(モニタリング)する。
- カウンセラーは、このケースについての結果、手段、スキルの行使などについて、自己及び他人による評価を受ける。
4つが含まれています。
クライアントとカウンセラーどちらが主語になっているか、引掛けで出題されることがあるから要チェックやで!
適正な時期における相談の終了
クライエントの成長の評価
クライエントの成長の評価には2つの側面があります。
- クライエントが成長したと感情で認識するのではなく実際に行動が変わったという事実による
- 評価するのはカウンセラーや第三者ではなく、クライエント自身である。カウンセラーは、その機会を提供しクライエントの評価に耳を傾けそれを容認することである
以下のプロセスを取りながら事実に基づいて、ビジネスライクにやるのがよいとされています。
- クライエントが、現在どんな状態にいるか決定する。
- カウンセリング終了時に、クライエントは、どんな行動をとったか記録する。
- カウンセリング開始時と終了時の行動を比較する。
- カウンセリング終了時の行動を目標と比較する。
- 目標は達成されたかどうか決定する。
- さらにカウンセリングが必要かどうか決める。
- カウンセリングを終了する。
実際に行動が変わったか?っていうのが重要なポイントでもあるんやな。
カウンセリングの終了
カウンセリングの終了には、3つの意味がある。
- カウンセリングの終了を正式に宣言し、その後も延々とカウンセリング関係を続けない。
- 学習したことを、将来活用できるかどうか話し合う。
- 終了してよいか監査(モニタリング)し、必要があれば改めてカウンセリングに応ずることを伝える。
3でいう監査(モニタリング)は、一定の期間、一定の方法でクライアントをフォローアップすること。になります。
カウンセリングが終了すると、ケースを終了する手順である、ケース記録、関係書類の保存などを行います。
カウンセラーの自己評価
最後に、カウンセラー自身の自分自身の評価になります。
自己評価の内容は、
- 具体的な結果:就職した、訓練を受けることになったなど
- 質的な側面:自信がついた、就職活動をする気力が出たなど
- 将来への知識、スキル:将来活用できるスキルを身につけたなど
- システィマティック・アプローチの各ステップ:各ステップで行うべきことをしたか。その結果はどうかなど
これらの評価はカウンセラー自身が行いますが、その際の3つの主要な基準が
- 知識・経験に基づいた反省と学習
- クライエント自身の受け止め方
- スーパーバイザーや他のカウンセラーによる評価
となっています。
まとめ
システマティック・アプローチの最終段階、相談過程の総括についてまとめていきましたが、難易度はそこまで高くない印象ですが、引っ掛け問題のような形で出題されることがあるので、一瞬迷ってしまうこともあるかと思います。曖昧になっている部分は明確にしておきましょう。
相談過程の総括について過去問を参考に作成した練習問題が下記になります。