キャリアコンサルティング学科試験のメンタルヘルス関連の問題で割りと多い頻度で出題される職場における心の健康づくり(労働者の心の健康の保持増進のための指針)の資料になります。
本記事では、過去問の傾向や統計を中心にポイントをまとめています。
メンタルヘルス対策の推進の目標
- 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上
- メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上
- ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上
労働者の心の健康に関する現状
職業生活での強いストレスを感じている労働者は60%前後で推移しており、その原因は、
- 仕事の質・量
- 仕事の失敗、責任の発生等
- 対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)
が上位に挙がっています。
心の健康対策に取り組んでいる事業所の割合は58.4%で、これを事業所規模別にみると、100人以上のすべての規模で9割を超えており、また、50人以上のすべての規模で8割を超えています。
いじめ・嫌がらせに関する相談状況は年々増加傾向にあります。また労働者の自殺者数は6千人を超えて推移しています。
メンタルヘルスケアの基本的考え方
事業者は、自らがストレスチェック制度(※労働安全衛生法第66条の10)を含めた事業場におけるメンタルヘルスケアを積極的に推進することを表明して、実施に当たってはストレスチェック制度の活用や職場環境等の改善を通じて、以下の予防策、
- 一次予防:メンタルヘルス不調を未然に防止する
- 二次予防:メンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な措置を行う
- 三次予防:メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰を支援等を行う
が円滑に行われるようにする必要があります。
事業者は、個人情報の保護に十分留意しつつ、労働者、管理監督者、家族等からの相談に対して適切に対応できる体制を整備するものとされています。
4つのメンタルヘルスケア
メンタルヘルスケアは「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要とされています。
- セルフケア
- ラインによるケア
- 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
- 事業場外資源によるケア
セルフケア
「セルフケア」では、労働者に対してストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解、ストレスへの気づき、ストレスへの対処などが行えるように支援することが重要になります。
ラインによるケア
「ラインによるケア」では管理監督者が、部下である労働者の状況を日常的に把握しており、また、個々の職場における具体的なストレス要因を把握し、その改善を図ることができる立場にあることから、職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応を行うことが必要になっています。
事業場内産業保健スタッフ等によるケア
「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」では、労働者及び管理監督者に対する支援を行うとともに、心の健康づくり計画に基づく具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画立案、メンタルヘルスに関する個人の健康情報の取扱い、事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口となること等、心の健康づくり計画の実施に当たり、中心的な役割を果たします。
事業場外資源によるケア
「事業場外資源によるケア」では、メンタルヘルスケアを行う上では、事業場が抱える問題や求めるサービスに応じて、メンタルヘルスケアに関し専門的な知識を有する各種の事業場外資源の支援を活用することが有効になります。
メンタルヘルスケアの推進の方法
事業者は、労働者、管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等に対し、それぞれの職務に応じた教育研修・情報提供を実施することが推奨されており、事業場内に教育研修担当者を計画的に養成することも有効となります。
また、小規模事業場においては、事業者がメンタルヘルスケア実施の表明をし、セルフケア、ラインによるケアを中心として、実施可能なところから着実に取組みを進めることが望ましいとなっています。
まとめ
職場における心の健康づくりのポイントをまとめました。
メンタルヘルス関連の問題は学科試験で2問は出題される傾向にありますのできっちり得点源にしておきたいところです。
過去問の傾向から作成した練習問題が下記になりますので挑戦してみてください。
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