アルフレッド・アドラー(Alfred.Adler)のアドラー心理学は過去問での出題率はそれほど高くはありませんが『嫌われる勇気』という本が有名ですし、一般レベルには覚えておきたいところです。
因みに、日本ではアドラー心理学と呼ばれていますが、アドラー本人は個人心理学と呼んでいます。
本記事では、アドラー心理学について主に過去問の出題傾向からポイントをまとめています。
アドラー心理学とは?
アドラー心理学の理論は、
- 目的論:人はまず目的を持ち、その方向に思考し、行動する
- 全体論:人の意識、無意識、思考、行動は個人として一貫している
- 社会統合論:人は社会に埋め込まれている社会的な存在である
- 仮想論:人は自分、他者、周りの世界を自分が見たいように見ている
- 個人の主体性:人は自分の人生を自分で決めることができる
が前提にあります。
そして、「全てのことは自分で決めている」のであり、「トラウマは存在しない」としています。無意識(トラウマ)や環境のせいにしていては何も解決しないという理論になります。
また社会構成主義キャリアカウンセリングのサビカスは「スーパーとアドラーの影響を受けた」と述べています。
アドラー心理学のポイント
アドラー心理学は、来談者中心療法などの洞察志向アプローチと同じく、クライエントの気づきを深めるため、対話によって気づきを拡張し、クライエントとの人間関係を重視します。そして「皆に認められ自分で自分を認められる状態」(共同体感覚)に近づくことを目標とします。
アドラー心理学に関するの重要なキーワードに共同体感覚、劣等感、勇気づけがあります。
共同体感覚 | 皆に認められ自分で自分を認められること。 |
劣等感 | 人はもともと「優れた自分になりたい」という目的を持つ。その理想状態から見れば、今の自分は必ず「劣った存在」という考え方。 |
勇気づけ | クライエントの人生の課題を解決するよう援助することを「勇気づけ」という。 |
またアドラー心理学では幸せには3つの絆が必要だとしており、それが「仕事」「交友」「愛」になります。
人生のタスクは「他者」と切り離すことができない「どんなものであれ、人間の能力が発達するのは、仲間の人間に関心を持つことによってだけである。理解は、私的ではなく、共有する機能である。それは、共有された媒介を通じて、われわれ自身を他者と結びつけ、全ての人類共通の経験に従うことである。(人生の意味の心理学(下))」としています。
共同体感覚、劣等感、勇気づけは覚えておいた方がエエと思うで!
まとめ
アドラーに関しては、私の通った養成講座のテキストにはほとんど掲載されていませんでしたが、過去問でも稀に出題されています。
最低限のアドラー心理学のポイントは抑えておいたほうが良いでしょう。
下記にアドラー心理学に関する練習問題ページを作成していますので挑戦してみてください。
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