「キャリアコンサルタント実技面接試験に向けて『要約』という技法を課題にロープレの練習をしようと思っています。効果的な練習方法と注意点もあれば教えて下さい。」
といった質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。
僕も面接試験対策として、下のツイートのように『要約』を課題に設定して練習していました。
ロープレの要約が苦手だった件
僕は結構一人で練習しました。
で、本番でも活用できたのが『適度』に身振り手振りを交えて要約していく方法ですこれを練習してから情報の整理がしやすく、分からないところはCLにも確認しやすく、結果的に信頼関係が作りやすくなりました😊
— しん✏キャリコンスタディ(中の人) (@CareconShin) January 18, 2021
ツイートにも書いていますが、要約は1人でも練習でき、上手く活用することでラポール形成もできます。
本記事では、要約することの目的と僕が実際に行った練習方法や気をつけたいポイントについてお伝えします。
要約とは?
要約とは、マイクロカウンセリングでいう、かかわり技法(言語レベルの傾聴法)であり、『クライエントの考え、感情そして行動を正確にまとめる』技法になります。
実際に実技面接試験等でも、ラポールの基礎を形成するうえで要約は最も重要な技法の一つと言えます。
要約の目的と効果
上にも書いた様に『クライエントの考え、感情そして行動を正確にまとめる』ということですが、その目的には『クライアントの内的準拠枠を、キャリアコンサルタントは分かっていますよ。と同時に、分かろうとしていますよ。』という姿勢を伝える目的もあります。
言い換えると『あなた(CL)の話してくれたことを、私(CC)は正確に把握できていますか?』といった確認の意味があります。
そういった意味合いで要約することがクライアント中心のアプローチになり、結果、面接に一貫性が出てくるという効果もあります。
要約を使う場面と回数
具体的に、ロープレで要約を使う場面ですが、僕自身がロープレを行ったり、オブザーバーとして観察していく中で、
- 冒頭の来談目的をまとめる場面
- 問題点が複数見えてきた場面
- 目標設定に向けた問題点を共有する場面
の3回くらいの活用が適切だと感じます。
もちろん、ケースによって変わりますので必要であれば3回以上あっても問題ないかと思いますが、不要な要約が多すぎると面接に支障をきたすことがあります。
要約が多い時のデメリット
なぜ3回かというと、要約を面接に多く入れることで、
- キャリアコンサルタントの話す時間が長くなる
- ラポールが途切れる
といったデメリットに繋がりやすくなるからです。
ですので、要約は重要な場面で3回くらい、それ以外は伝え返しを中心に面接を進めることを意識するとバランスがよくなるかと思います。
伝え返しという技法についてポイントをまとめた記事が下記になりますので、合わせて読んでいただければと思います。
要約の練習方法
僕はロープレ練習の場では、その日の課題に設定して意識して要約を練習する他に、1人ロープレで練習を重ねていました。
1人ロープレのオススメの場所は、ズバリお風呂の入浴中です。人目も気になりませんし多少身振り手振りを使いながら要約すると自分自身も話の整理ができ、効果的な練習方法だったと実感しています。
また、要約のネタは2級技能士の実技試験過去問のロールプレイケースなどを使って、相談したいことの要約を行いました。
参考サイト » キャリアコンサルティング協議会 2級技能士の実技試験ロールプレイケース
気をつけたいポイント
初めは丁寧な要約から練習して、次になるべく必要なキーワードだけでまとめていくことを意識して行いました。段々と言葉数を短くしていくことで、要点を抑えた精度の高い要約に近づいていくかと思います。
また、要約の後に続く質問も重要ですので、セットで練習することで、緊張しがちなロープレ序盤を乗り切る力がつくかと思います。
まとめ
まず使いたい場面は、
- 頭の来談目的をまとめる場面
- 問題点が複数見えてきた場面
- 目標設定に向けた問題点を共有する場面
の3回くらいで、あとは伝え返しを意識する。
練習方法で気をつけるポイントは、
- 初めは丁寧に
- キーワードを意識
- 短く要点を的確にまとめる
- 次の質問もセットで練習
といったところになります。
要約が苦手だという方にとって、使えそうな所があれば参考にしていただければ幸いです。