「キャリアコンサルタント実技面接試験対策として『伝え返し』を課題にしてロープレの練習をしようと思うのですが、どんな効果がありますか?また、どの様な点に気をつけて練習したら良いでしょうか?」
といった質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。
僕も下のツイートのように『伝え返し』を課題に設定して集中的に練習した経験があります。
僕がロープレで課題にしていた一つに『伝え返し』があります
キーワードや語尾だけをCLに返す技法なのですがこれができると無駄な要約が減りました😋
適切な要約はラポール形成が深まるのですが入れすぎるとラポールが逆に途切れちゃうので多用は禁物です😋#キャリコン
— しん✏キャリコンスタディ(中の人) (@CareconShin) January 21, 2021
本記事では、実技面接試験でも使える効果的な技法『伝え返し』を深堀りしていきたいと思います。
伝え返しとは?
伝え返しは、マイクロカウンセリング技法によるところの『はげまし』になります。
はげましとは、うなずいたり、相づちをいれるなどして、話し手の発言を促すことをいいます。またキーワードや語尾など、クライアントの言葉を短く繰り返す技法になります。
クライアントの言葉を短く繰り返すという要素に関しては、場合によっては『短い要約』の様な言葉になることもあります。
これらの要素を含んだ技法が『伝え返し』と認識して、本記事では説明しています。
伝え返しの効果
ロープレに取り入れた時の効果は、
- クライアントが中心になって話してくれる
- ラポールが途切れない
- 深堀りできる
等があります。
クライアントが中心になって話してくれる
伝え返しには『促す』という要素がありますので、上手く伝え返しができればクライアントは自然な流れで語ってくれます。
合いの手の様なものと考えると分かりやすいかと思います。クライアントが気持ちよく言葉を紡いでいける様に的確な、
- テンポ
- トーン
- 表情
等を状況に応じて変えながら伝え返しをすることで、クライアントの内的準拠枠に沿った自然な流れで対話を続けていくことができます。これらは意識しておくことでバリエーションも増えますので、一つの練習方法として取り入れていただければと思います。
また、伝え返しを意識することで、余計な質問を減らすことができるため、キャリアコンサルタントの発言が増える質問責めも回避できます。
ラポールが途切れない
例えば、伝え返しでOKな場面で、丁寧な要約してしまうと、その間にラポールが途切れてしまうリスクがあります。また、要約が多いと当然キャリアコンサルタントの発言の時間が長くなってしまうので、クライアント中心の様で、そうでない状況が生まれやすくなります。
僕が見たり実践してバランスのよいと感じたのは、丁寧な要約は全体を通して2~3回程度になります。まだ対話が浅いタイミングで何度も長い要約を入れるより、できるだけ伝え返しで対話を続けるような意識を持つと、ラポールが深まりやすいことが実感できるかと思います。
練習の際に試してみて下さい。
深堀りできる
例えば、言い淀んだ語尾(「~と思ってはいるんですが…」等)の際に、語尾を伝え返しすることによって、一度は言葉にすることをためらった、
- 価値観
- 感情
- 経験
を「実は…」と語ってくれるケースがあります。最小限の質問で無駄なく自然に深堀りができます。
この時、あまりにもスムーズに深堀りできてしまうことがあるので、しっかりと傾聴して、その際に価値観や感情が出てきたらコンプリメントしましょう。
まとめ:効果と練習で気をつけること
伝え返しの効果をもう一度まとめると、
- クライアントが中心になって話してくれる
- ラポールが途切れない
- 深堀りできる
といったところになります。
また、練習の際には、テンポやトーン、表情も重要なポイントになっていますので、ロープレの課題にされるかたは、ぜひ意識しながら挑戦してみてください。