「キャリアコンサルタント実技面接試験に向けて『ねぎらい』と『コンプリメント』を使えるようになりたいのですが、自然に使うためにはどんな所に気をつけたら良いでしょうか?」
といった質問をいただきましたのでお答えしたいと思います。
僕も面接試験対策として、下のツイートのように『ねぎらい』と『コンプリメント(称賛)』を課題に設定して練習していました。
僕がロープレのラポール形成で取り組んでいた個人的な課題に『ねぎらい』と『称賛』があります
寄り添うことの一つかと思いますが、ねぎらいの気持ちが言葉としてCLに届いた時、CL役の表情が変わることが多かったです。もちろん良い表情😊
因みにねぎらいは試験本番でも使いました😋#キャリコン
— しん✏キャリコンスタディ(中の人) (@CareconShin) January 6, 2021
この、ねぎらいやコンプリメントはクライアントとの信頼関係を築くためにはとても大切な技法だと感じています。と同時に使い方を間違えるとラポールも途切れてしまう可能性があります。
本記事では、ねぎらいやコンプリメントが使える場面や効果、注意点などを実際の体験から深堀りしています。
ねぎらい・コンプリメントとは?
マイクロカウンセリング技法でいう、フィードバックに近い技法になります。クライアントの肯定的資質にフォーカスして、キャリアコンサルタントや第三者視点から、どう見えているかを伝えます。
そうすることで、自己理解や自己探求を促す他、ラポール形成にも繋がります。
肯定的資質とは、クライアントが評価されたい価値観や経験、もしくはクライアントも気づいていない評価されるべき価値観や経験と理解すると分かりやすいかと思います。
どんな場面で使うのか?
実際のロープレで使う場面としては、下のツイートに書いていますが、
ねぎらいや称賛のポイントは、CLが
✅悩んだこと
✅頑張ったこと
✅辛かったこと
✅認めてほしいこと等に注目していました。CL側は当然と思っている場合もありますが、そんな時でも言葉にすることによって信頼関係が深まるケースは多くありました😊
これを自己一致して行う練習はオススメです😋— しん✏キャリコンスタディ(中の人) (@CareconShin) January 6, 2021
の様なクライアントの語る経験や価値観を傾聴していると気づきやすいかと思います。
意外と意識していないと「そうなんですねー。」で、流してしまうこともありますので、ロープレ練習の課題に設定して挑まれると良いかと思います。
簡単な具体例
実際に使われる具体例を挙げると、クライアントの経験や価値観に対して、
- 「◯年間、ずっと頑張ってこられたんですね。」
- 「それは大変な努力をされてきたのではないかと感じました。」
- 「強い責任感を持ってお仕事をされているのですね。」
等になります。
因みに上の例は、まだラポールが形成されていない状態のときに効果は発揮されます。ただ、ある程度ラポールが形成された状態だと、単発のねぎらい・コンプリメントという感じになっています。
場面によっては、さらに深堀りが出来る、自然なねぎらいやコンプリメントをすること、で自己理解やラポール形成に大きく展開することがあります。
深堀りが出来るポイント
僕が実際にロープレでトライアンドエラーを繰り返し感じたこと、オブザーバーとして観察している時に感じた、深堀りが出来るねぎらいとコンプリメントのポイントが、
- ねぎらい・コンプリメントだけで終わらない
- 具体的にどの部分に対してコンプリメントしているのかを話す
- 自己一致して興味を持っていることが伝わる
といったところになります。
この時のキャリアコンサルタントの気持ちとしては、心からクライアントの体験や価値観に関心を持っている状態と言うと分かりやすいかも知れません。
ですので、『ねぎらい+質問』『コンプリメント+質問』という形が一つの理想形と言えます。
また深堀りするようなコンプリメントはラポールがある程度築けている状態、クライアントの内的準拠枠が理解できるほど話していただいたときに大きな効果があります。
上記のポイントとラポールが形成されたことを踏まえて、先程の例をバージョンアップすると、
- 「◯年間、ずっと頑張ってこられたんですね。どういった、思いで頑張られたんですか?」
- 「それ(具体的事例)は大変な努力をされてきたのではないかと感じました。その努力の原動力はなんだったんでしょうか?」
- 「会社のために、そこ(具体的事例)まで考えられている。強い責任感を持ってお仕事をされている方だというのが伝わってきました。」
といった感じになります。
印象では、バージョンアップした方は、クライアントに関心を持っており、確信に近い部分に迫っていける、或いは、ラポールが大きく繋がった様に感じるかと思います。
実際に試験でねぎらいを使った結果
実は、実技面接試験でねぎらいを使いました。
その結果が下記のツイートになります。
と言いつつ、ロープレでタイミングが見つからず出来ないことも多々ありました。そんな時は一人ロープレでリベンジしてました😂
因みに試験で行った時は、若干流れが微妙かなとも思ったのですが、CL役の方がはにかむ様な嬉しそうな表情をされたので、まあなんとか形になったかな…という感じでした😋
— しん✏キャリコンスタディ(中の人) (@CareconShin) January 6, 2021
一個前のツイートから続いているのですが、若干流れが微妙ではあったのですが、
「素晴らしい成功体験をお持ちなんですね。そこで大きな評価を受けたときどんなお気持ちになりましたか?」
といった内容だったのですが、なんとか言葉をクライアントの心に届けることができたかと思います。
また、練習法の一つとなる一人ロープレについては下記記事にてやり方を書いているので、参考にしていただければと思います。
まとめ
ロープレなどで自然に使うためには、クライアントの体験や価値観に関心を持っている状態でねぎらい・コンプリメントすることと、その後に自然に質問に繋げることがポイントではないかと思います。
特にラポールが進展しない、話が深堀りできない。といった方にはねぎらいとコンプリメントを練習することをオススメします。練習の際にはガンガン挑戦して、少しずつでも良いので使えるようになっていただければと思います。