キャリアコンサルタント学科試験でも毎回出題される方策実行の支援ですが、難易度はそれほど高くない様に感じます。
ただ、細かい所から出題されたりもしているので要チェックです。
本記事では、そんな方策の実行の支援についてまとめています。
方策とは?
方策とは、カウンセリングの目標を達成するための行動計画(action plan) のことで、目標達成のためのターゲットを決めて、それを実現するステップと具体的な行動を見つけ実行することになります。
方策の実行は、システィマティック・アプローチの中でも中核をなしていて、相談者によって方策の内容や置かれた環境などがそれぞれ異なるため、多様な対応が求められます。
ですので、キャリアコンサルタントは以下のような点について気をつける必要があります。
- クライエントの欲求を一つ一つターゲットとして表現するのを助けたか。カウンセラーとしてその知識、技能を持っているか。
- カウンセラーとして、このケースにふさわしくないと考えた場合、適切な個人や機関にリファーしたか。
- 採択した方策は、クライエントの欲求、現状、諸条件等に照らして最適か。他の可能性はないか。
- 方策の内容、進め方をクライエントに充分に説明したか、クライエントはそれを理解したか。
- 各ステップは明確か。クライエントがするべきこと、責任は、それは実行可能か。
- クライエントの考えを尊重し、積極的役割をとらせたか。
方策の実行
方策の実行は6つのステップを踏んで行います。
- 可能性がある方策をいくつか考え、メリット、デメリットを比較検討して一つを選ぶ。
- 方策実行のプロセス、方策の内容『目的、原理、プロセス、結果、利点と損失、必要な諸活動など』を説明する。
- クライエントに合うように方策を変更する。
- 方策を実行し、達成するためにカウンセラーとクライエントが「契約」を結ぶ。
- 決定、採択された方策をクライエントが自分の責任で実行する。カウンセラーも自分の役割を実行する。
- 方策全体を行ったかどうか。方策の実行全体をチェックする。
3つの方策
意志決定方策
意思決定方策には、以下のような前提があります。
- カウンセリング・プロセスの中でクライエントは、受動的でなく積極的な役割を果たすことができる。
- 1つを選択することは、他を捨てることである。何を捨てるかは、何を選ぶかと同様に重要である。
- 意思決定には必ず不確実性を伴う。決定されたことは変わることがあるし、完璧性よりは可能性を重視すべきである。
- 意思決定のタイミングは、その内容と同様に重要である。
ここがまるまる過去問に出題されてたで!
また意思決定のプロセスは、『意思決定のための選択肢を並べる⇒選択肢を吟味する⇒選択肢の中から1つを選ぶ⇒選択肢を実行するために契約を結ぶ』というプロセスをとります。
学習方策
支援する学習は、
- 技能(Skill):単に特定の職業能力のことではなく、職業やキャリアを自分で探索、選択、決定、形成するのに必要な知識・技能。関係調整、意思決定、情報探索、職業選択などの能力になります。
技能の見本を見せる(モデリング)⇒それを試行させる⇒試行の結果をクライエントにフィードバックする⇒練習させ、勇気づける⇒成果を評価の流れになります。 - 行動パターン(Action Pattern):習慣、癖など、クライエントが気付かない行動パターンのことである。責任回避、不平・不満をよく言う、対決回避、引き延ばしなどクライエントの性格、行動に関するパターンのことである。
- 意欲(Needs):目標に向かおうとする意欲のすべてである。カウンセラーやコンサルタントは、結局はクライエントが意欲を持って行動しなければ目標は達成できないことを知らしめることである。
の3つのカテゴリについて学習することが必要になります。
自己管理方策
「自己監視」とは、クライエントが自分の行動や環境を観察し、問題が起こる頻度、程度、時期、継続する時間などの特徴を記録し、それに基づいて改善計画を立てることになります。
「状況の修正」とは、クライエントができるだけ望ましい行動を起こせるような環境に自分を置き、望ましくない環境には意識的に自分を置かないようにすることで、環境を変えられる見通しや意欲があれば、環境を変えることでもあります。
「行動の学習」とは、新しい行動の学習である。適切な行動ができた段階で、その行動を真に自分のものになるまで繰り返し学習することです。
まとめ
方策実行の支援についてまとめましたが、ほぼキャリアコンサルタント視点で一般的に考えて違和感のない方向が正解になっている気がします。
方策実行の支援についての練習問題が下記になりますのでチャレンジしてみてください。