相談場面の設定は、キャリアコンサルタント学科試験では頻出の項目といえます。
またロープレなどにも活用できる知識となりますので、しっかり押さえておきたいところです。
本記事では、そんな相談場面の設定について過去問の傾向からポイントをまとめています。
相談場面の設定
物理的環境の整備
メイヤーは物理的環境を整えることが、カウンセリングを成功に導く条件の一つとしています。クライアントが安心して積極的に相談ができるような環境を設定として、
- 適切な服装を身につける
- 相談者との間に物を置かない
- 静かな場所で行う
- 電話などの電源は切っておく
- 開始と終了の時間を守る
- 必要な備品を用意しておく
と、着席した際、180度の一直線上に対向して座るよりも、目線と目線が過度にぶつからないよう90度~120度の角度をつけて座るほうが望ましいという点は押さえておきましょう。
心理的な親和関係(ラポール)の形成
温かい雰囲気の中で、クライエントが安心して話のできる信頼関係を樹立すること、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接することにより、心理的な親和関係の確立を目指します。
カウンセリングのオープニング(相談場面の設定)の際には、クライエントとカウンセリング関係における「同盟関係」、「協働の精神」つまりラポールを形成することに焦点を当てます。
ラポールは形成されても、その後も自動的に維持はされるわけではないため、初回の面談以降もラポールの形成と維持は重要となっています。
ラポールが崩れるとか途切れるとかって表現するもんな!
キャリア形成及びキャリアコンサルティングに係る理解の促進
主体的なキャリア形成の必要性や、キャリアコンサルティングでの支援の範囲、最終的な意思決定は相談者自身が行うことであること等、キャリアコンサルティングの目的や前提を明確にすることの重要性について、相談者の理解を促すことになります。
また原則として、1回の長時間にわたる面談を行うよりも、1回当たりの面談時間を50分~60分程度として複数回実施したほうが、次の面談までのインターバルが相談者の自己理解や内省の機会となるので効果的となっています。
相談の目標、範囲等の明確化
カウンセリングのオープニング(相談場面の設定)の際には、クライエントがキャリアコンサルティングを必要とした理由、つまり来談の目的・問題の明確化に焦点を当てます。
そして、相談者を治そうとするより、相談者がどのように自分自身や抱える問題を捉えているのかを理解しようとする姿勢・態度が大切となっています。
また相談時間が限られている場合、ラポールづくりだけに時間を費やすのではなく、次のステップ(目標設定・意思決定・方策の実行)を意識して面談を進めるのが望ましいとされています。
まとめ
相談場面の設定についてまとめていきました。
実技のロープレなどでも心がけたい重要なポイントがいくつかあったかと思いますので、実際にロープレを行う時にリンクさせて、学科と実技同時に試験対策を行う様な感覚で学習すると、より定着するかと思います。
相談場面の設定に関する練習問題を作成しましたので隙間時間に挑戦してみてください。